夫婦の温度差 |
あるNPO法人の 50〜70才代を対象にした調査結果によると 田舎暮らしを望む人は、男性 5.6人に対して女性1人の割合でしかなかった。 なぜなのか? アンケート回答者に理由を聞いてみると、なるほどと思える節が見受けられる。 妻は今の居住地に自分の世界が確立されているということ つまり 日常生活、友人・知人との交際、カルチャー等の趣味、娯楽遊興等 全て生活パターンが定まっており、今の状態で充分満足しているのである。 それを 何で今さら それらを放棄してまで田舎へ行かねばならないの?という事情があるようです。 一方 夫は定年退職等によりストレスの溜まる仕事から 開放されたのはよいが家庭にいてもこれといってすることが無い。 そこで 田舎へ移り住んでのんびりと スローライフを楽しみたい、という傾向が強いようです。 しかし 田舎暮らしに反対していた妻も、実際に田舎に定住してみると地域にうまく溶け込み、 近隣との付き合い などは夫より妻の方がはるかに秀れているということも事実であります。 これは 女性の方が男性に較べていろんな状況に対して順応性が高いと言われている証でしょう。 いづれにしても、夫婦で田舎暮らしをする場合は お互いの立場・意見を尊重し よく話し合った上、双方が納得してから実践に移すことがベストであります。 |
田舎は不便か? |
都会=便利、 田舎=不便、 だと決めつける人も多いが 現実はどうだろう? 田舎でも20分も車で走れば、コンビニや家電量販店、スーパーマーケット 等もあり 日常生活に必要な物は殆ど調達できます。 又、ネットショッピングを利用すればヴィトンのバックなど 有名ブランド商品もなんなく購入することが可能です。 なるほど都会でも専門店でしか置いてないような商品はさすがに手に入りません。 しかし どの田舎のお宅へ お伺いしても 都会と変わらない家具や調度品 ・ 備品といったものが備わっており 又 冷蔵庫の中にもバラエティに富んだ食料品が詰まっております。 都会に較べて娯楽・遊興面 等の便は確かに劣ることは否めませんが 日常生活に関しては一慨に不便だとは言い切れないでしょう。 |
車は必要か? |
田舎には車は必要です。田舎でもその中心地に近い所であれば車はなくても過ごせますが 殆どの場合 移動は車にたよらざるを得ません。 車はイヤだと仰る方でも最低限、原付バイクの免許は取っておくべきでしょう。 普通免許は一般的に自分の年齢×1万円ぐらい費用が かかると言われていますが 田舎の自動車教習所は都会に較べてかなり安くて済むようです。 又、少子化の影響からか自宅への送り迎えとかのサービスを実施している 教習所もあります。 50才代、60才代で車の免許を取得した人もたくさんおられます。 今はオートマ専用の比較的易しい免許も ありますので、是非 運転免許は取得しましょう。 どうしても免許を取得できない人は集落の中心に近い田舎物件を選んで下さい。 |
子供の教育 |
最近 30才代のいわゆる「若い人」達の田舎暮らし志向が増えてきましたが 田舎での子供の教育事情はどうだろう。 都会では 進学塾、英語塾、等々 多種多様な学習塾があり 子供の才能にあった勉強が、学校以外でできる環境にあります。 私どもの会社の近隣にも有名な進学塾があり 連日送り迎えの車が道路にあふれんばかりに駐車され 子供たちは、末は博士か大臣かのごとく夜 遅くまで勉学に励んでいる。 一方、田舎はどうか。 なるほど都会で教師をしておられた方が田舎に移り住み 暇潰し(失礼)にと塾を開きそこに通っている子供達もいないわけではありません。 しかし 大半の子供達は勉強は学校での学習のみである。 ただ田舎には、一歩外へ出れば自然という都会には ない すばらしい教材があり 子供達は仲間同士 虫とり、魚釣り、花摘み、などの遊びを通して 自覚のないまま いろんな事柄を学んでいるのではないだろうか。 子供は自然豊かな田舎で育てるのが一番であり、勉強も大切だが 目上の人あるいは先輩に対する礼儀作法、友人 後輩との正しい接し方 ケジメを身につけ 大人になるにしたがって 社会常識を持った人間になって欲しい そういった教育方針を持った「若い人」達がここ数年増えてきたのも事実です。 子供の教育に関しては、人それぞれ 主観や価値判断 等に委ねるべきものではありますが 田舎にも都会にはない豊かな自然という教材があるということを 知っておくべきでしょう。 |
田舎の医療事情 |
人が「田舎暮らし」に不安を感じる一因として、医療施設の問題があります。 確かに田舎にはいわゆる総合病院といわれるような 設備の整った病院の数が少ないのは 事実です。 ちょっとした傷病なら近くの開業医か診療所で診てもらえるが 重い傷病を患った場合は街まで出かけて行かねばなりません。 しかし、地方では殆どの地域で、広域治療体制を組んでいるのが普通で急病人がでた場合 必要とあればヘリコプターで患者を搬送する制度も確立されています。 救急車にいたっては要請してから病院に到着するまでの 平均所要時間は都会より早いというデーターも出ているそうです。 まして 最近社会問題と なっている患者のたらい回しという問題も 田舎ではとうてい考えられない事であります。 毎年、春先になると 花粉症を患う人が大勢出現しますが 財団法人アレルギー協会の発症率の調査によると、 農漁村、地方都市、工業都市、大都市の順で発症率が高くなっていくとの結果です。 大都市と農漁村の対比では、なんと 大都市が農漁村の約4倍の発症率とのことです。 まだ解明されていない部分もあるが市街地には 花粉症を引き起こす何かのファクターが潜んでいると考えられます。 したがって田舎は 杉、桧の木が多いのでイヤだと思っている人は この際 花粉=田舎 という考え方を改めていただいても良いのではと思います。 世界一の長寿国 日本。 喜ばしいかぎりですが、反面高齢化がすすみ 介護制度のあり方も社会問題の一つになっております。 都会では要介護が認定されても施設の都合で入居できなかったり 順番待ちで永く待たされるのがあたりまえのことですが 田舎では地元の社会福祉協議会に相談すれば 意外なほどあっさり施設への入居が認められるのが普通であります。 又、入浴等 日帰りのディサービスも総体的に親切丁寧との評判は上々のようです。 「呆けたらどうしょう」と頭をよぎる人も多いと思いますが、 こういった介護制度に関しては、田舎でも結構充実しておりますので ご心配なく! それと以前から感じていたことですが、田舎には近眼の人と糖尿病の人が少ないようです。 緑が多いことや、野菜中心の食生活、適度な農作業などが そういった病いになりにくいのだろうと思えます。 いずれにしても、病気にならないように 一日一日規則正しく健康で楽しい生活が送れるように心掛けましょう。 |
近隣との人間関係 |
「田舎暮らしは したいが、地域の人達とうまくやっていけるだろうか?」 といった不安を持った方も結構多いようです。 「郷に入ったら郷に従え」の諺のことく それぞれの地域の町内会の取り決めを守り、 例えば道端の草むしりや神社の掃除 等、定住するなら 住民の義務としての役割を分担し 行事には積極的に参加する、所用等で参加できない時は 不参料として金一封を包んだりすることは当然のことであります。 田舎での人間関係のポイントは「気軽な挨拶」と「自分は都会人ではない」 という心構えこの2点でしょう。 自分は「都会人だ」という考えを捨て地元の人々と挨拶を交わし気軽に接することが肝要です。 過去に都会から田舎へ移住した人の中には 今ではその地域の地区長とか役員などをされてる方などがたくさんおられる それらの人たちの話を聞くと田舎での付き合いのコツは「何もむずかしいことあらへん キチンと挨拶をしとけばいいんや」と口をそろえて言っておられる すなわち田舎での人との付き合いは都会風を吹かさず常に挨拶を励行すること これであなたは田舎の人々に大いに歓迎されることでしょう。 |
職場の確保 |
最近30〜40才代のいわゆる若い人の田舎暮らし希望が増えてきておりますが 田舎へ引っ込んでも働く場所があるだろうかとよく相談を受けます なるほど職業別電話帳の分厚さを比較しても田舎は都会の比ではありません。 しかし一時期各自治体における企業勧誘政策と土地値の高い都会より 安い田舎に事業展開しようという企業ニーズが合致して かなりの企業が田舎へ進出してきております。 昇給昇格、複雑な人間関係、朝夕のラッシュ、交通渋滞等 ストレスの溜まる一方の都会の職場に較べれば多少給料少ないが 家庭的な田舎の職場もまた良いではないでしょうか。 ただアメリカ発の世界恐慌のあおりで現在田舎も就職難という現実はあるようです。 |
虫がコワイ |
「ヘビもキライだが ムカデを見たらゾーとする」虫が嫌いという話ですが 確かに田舎にはいろんな虫がおり虫がコワイという人もたくさんいます。 特にその傾向は女性に多いようです。 ヘビはペットにする人もあるように好きだという人もありますが ムカデ、蛾、カメムシなどは まず好きだという人はないでしょう。 姿形の悪さとか悪臭を放つからというだけで悪者にされ 当虫達にとっては迷惑なことと思っているでしょう。 蛍はどこの田舎でもよく見られますが お尻から光を発するというだけで万人から好かれるようですが もし光がなければあまり格好の良い虫ではありません。 虫が多いというのは逆にいえば自然が豊かである証でもあり 又子供達の自然界のよき教材にもなります。 田舎暮らしを志ざすあなたも友だちになれとはいいませんが 虫達と仲良く共存しようというおおらかさをお持ちになってはいかがでしょうか。 |