米国のサブプライムローンの破たんに端を発し 100年来の世界恐慌の時代に突入したと言われております。 当初日本は対岸の火事のごとくそれほど深刻な状況ではないとタカをくくっておりましたが ここに来て トヨタ・パナソニックはじめ日本を代表する世界に誇る大企業が 次々と利益予算の下方修正を余儀なくされ そのあおりで末端従業員の大量リストラ 金融機関の貸し渋り・貸しはがし等により中小企業の相次ぐ倒産等々 今、日本経済は未曾有の危機に貧しております。 政治家は相変わらず政争に明けくれ、 本当にこの危機からの脱却を真剣に考えているのか疑問を感じる。 ある大手新聞社は、昭和初期の大恐慌の時代に敢然と国内政治に また経済に自身の体を張って取り組み、遂に反勢力の凶刃に倒され た戦前の私利私欲のない政治家像を 現在の政治家に求めることが出来るだろうか問うている。 例えば、昭和11年 軍部の青年将校に暗殺された 高橋是清元総理は 高橋財政と呼ばれたように蔵相時代に日本財政の舵取りに全力を傾けた。 彼に匹敵するような政治家は現れるのか 現在の大不況を国際経済の中でどのように好転させるのか 期待できる政治家の出現を祈るのみである。 一方、将来この金融恐慌と同じように食糧恐慌は起こり得るだろうか・・・ 以前 NHK クローズアップ現代という番組で 「穀物高騰、食卓への影響」というテーマで問題を提起していた。 現在 日本の穀物需要の外国依存度は高く 小麦が87%、トウモロコシ99%、大豆95%が輸入に頼っているという 日本の穀物はコメを除いて実に85%以上が外国に依存しており しかもその輸入穀物の90%以上がアメリカに頼っているという現状である。 この対談を聞いた人は何を感じたであろうか 人間の生存の基本条件は空気と水と食物にある。 近年アメリカの穀物市場は異常な値上がりを示した 中国・インド・東南アジア諸国など 発展途上国といわれた国々の急激な経済発展のために 以前の輸出国が輸入国に変化し慢性的な供給不足が続くようになったからである。 そして、今後とも益々この状態は拡大しながら続くのである。 1973年にはアメリカは、大豆の輸出禁止令を実施している。 当然自国民への供給が最優先されるからだ。 世界人口は中国・インド・東南アジア諸国他 発展途上国を中心に増加の一途をたどっており 所得水準が向上するとともに今後益々食糧不足の深刻さは増大していくのであろう。 我が国の農林水産省の係官の話では、ここに来てやっとこさ 大昔に企てた食糧計画の見直しを検討しているという。 我々はエリート官僚に全てを任せているのである、しかし本当にこれで良いのであろうか これで安心できるのであろうか・・・というのが、この番組の内容であった。 現在、我が国の食生活はどうか・・ 都市住民は食べ物は何処かからくる、自分達一家は心配ない お金さえ出せば何でも手に入ると考える 安易な考え方であり ガラス細工の上の危い生活である。 50〜100坪の空地があれば非常事態が発生しても家族を「飢え」から守ることは可能である。 第二次世界大戦後の食糧危機の時代に屋敷の片隅の空地を耕し サツマイモを作り、飢えを堪え忍ぶ日々を体験している人は今も少なくないはずである。 隣国北朝鮮の食糧不足の報道を見ても他人事とは思えない。 人間の生活にとって食糧ほど大切な要素はない 常日頃の備えがあればどんな非常事態にも対処出来るはずである。 科学万能の機械文明に生活の基礎を置いている現在 我々は明日も、明後日も半永久的に変化のない生活を希望するが それは誰にも保証は出来ない事である。 前述のように経済上の混乱がやってくるか 戦争等の社会不安が起こるか、誰にも予測がつかないのである。 しかし、ここに来て農地の重要性に気付き、農地を見直す風潮が現れてきた。 それに合わせ農地の価格も見直されつつある。大変良いことだと思う。 せめて将来自分や子供、孫の為に農地を確保しどんな時代がやってこようとも 生存の基本条件である「空気」と「水」と「食物」だけは 不安のない様に、今から準備しておくべきではないだろうか。 |